娘の浴衣を、今度は孫が着る。
母が仕立ててくれた浴衣。
娘が従妹とお揃いで着ていた写真を眺めながら、娘にそっくりな孫の姿に、思わず笑ってしまった。
「もう、この浴衣は嫌だ!」
そう言っていた娘。
1歳の頃から着ていた浴衣が小さくなっても、母が仕立ててくれた同じ柄の、従妹のお下がりの浴衣を着て、5年間。
昔の浴衣の良さを、今になってしみじみと思う。
孫のために、おはしょりの長さと袖丈を調整しながら、ふと思う。
母に浴衣の仕立てを教わっておけばよかった、と。
「いつか聞けばいい」と思っていた。
でも、「いつか」は、なかなか来ないものなのだと知った。
人生って、そんなものなのかもしれない。
娘に浴衣の着付けを教えながら、
それでも、母から教えてもらったことは、ちゃんと伝えていきたいと思う。
いろいろなことを、娘にも教えておかなくては。
今は、ネットで検索すれば、たいていのことは知ることができる。
けれど、ネットでは検索できない、ちょっとしたコツや知恵が、たくさんある。
母から教わったことを、娘へ。
そして娘から、孫へ。
まだ、間に合うかな。
娘よ。
母のたわごとだと思って聞いていてもいい。
でも、いつかきっと、役に立つ日が来ると思う。

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