携帯電話は身近すぎて、本当の大切さを忘れかけていた。
病床の母は、常に携帯を手放さなかった。
意識がもうろうとする中、携帯電話を探す手、、、携帯電話を渡すと大事に胸の中にしまい込んだ。
そうだよね、、、独り暮らしの母は携帯電話でつながっていた。
独り暮らしだからこそ、電話を待ちわび、友達、兄弟姉妹、子供たちと話すことが楽しみだったはず、、、。
そして、何かあった時のSOSを発信する大事な携帯電話だった。
毎朝9時に母に電話をしていた私。
「お天気は?」「体調はどう?」「きちんと食べてる?」
それはたわいのない日常の会話だった。
今はもうつながらないとわかっていても、母に電話をかける。
そして、母がいないことを実感する、、、寂しい、、、
